住まいのコラム >> イエトンウィークリーコラム第69回 |
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コンバージョン住宅が注目される背景には、オフィスの「2003年問題」があります。
それは、汐留、品川、新宿、六本木など、東京都心部を中心に、この数年間で大規模なオフィスビルの新築ラッシュが起きること。なかでも2003年度に完成するビルが最大で、23区内だけで総面積は220万平方メートル以上。この秋、東京駅前に再生オープンして話題になった丸ビル14棟分に相当します。 一度に大型の新築ビルが大量供給されて、古いビルからの移転が進むことで、空室率が急上昇。現在5%前後の空室率が10数%になるといわれています。その結果、新規のテナントが入る見込みのない老朽化した小型ビルがあふれ、新たな不良債権を生むおそれがあると大問題になっているわけです。 そこで、オフィスとしては見放されても住宅としては魅力的な都心立地にあることから、これをマンションにリニューアルして売却したり、賃貸にしたりする計画がもちあがっているのです。「新古マンション」とでもいえるでしょうか。 現在、東京には約8,000万平方メートルのオフィスがあります。このうち1%がコンバージョンされるだけでも、1万戸以上のマンションができる計算です。 |
欧米では普及しているといわれるコンバージョン住宅が大量に出回るようになるのでしょうか。 結論からいうと、多少は出てくるものの、一般に広まる可能性はまだ低いといえます。
その理由は、採光や防災などの点でオフィスよりも住宅のほうが建築規制が厳しいために、住宅への転用が難しいか、できてもコストがかさんでしまうケースが多いからです。 いわゆるペンシルビルといわれる細長い小型のオフィスの場合、ほとんどは骨組みは鉄骨造(S造)で、マンションで一般的な鉄筋コンクリート(RC)造や鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造に比べて、遮音性や断熱性が劣ります。さらに、法的な耐震性は問題なくても、S造はRC造やSRC造よりも地震で揺れやすいのが難点です。 こうした点をカバーするためには、坪当たり30万円プラスアルファの改修費がかかるといわれています。建て替えの場合は解体費を含めても同50〜60万円程度(ファミリータイプ)。建て替えの5割以上のコストをかけて、老朽化し、耐久性の落ちたオフィスを中身だけ住宅に変えたとしても、コストパフォーマンスの面で魅力は薄いのではないでしょうか。 都心部では相変わらず新築マンションの大量供給が続いています。中古マンションのストックも増えています。はじめから住宅用に企画されたマンションに比べて、コンバージョン住宅の企画が一段落ちるのは明らか。麻布・赤坂・青山など一部の限られた立地で、完全フリープランや超高級仕様にしたもの、あるいは公的な補助を受けるなどしてかなりの低価格にしたものでないとコンバージョン住宅は成立しにくいと思われます。 国土交通省を始め行政サイドでは、オフィスの住宅転用に対する補助制度を設けるなど、コンバージョンの推進を始めています。今後、法的な規制緩和や税制上のインセンティブがどれだけ出てくるかどうか。それがコンバージョン普及の鍵を握っているといえるでしょう。 |